◆卓球 ◇WTTチャンピオンズ横浜 第3日(9日、横浜BUNTAI)
女子シングルス2回戦が行われ、世界ランク6位の張本美和(木下グループ)は、同13位の早田ひな(日本生命)との日本人対決にフルゲームの末に2-3で競り負けた。
最終ゲームは、張本美が4―2でリードした場面で早田が約5分間のメディカルタイムアウトを取った。
試合後に応じた取材で、張本美は「負けたのは悔しいですし、しっかり準備して挑んだ試合なので…。最後に勝ちきれなかったのが、悔しいという一言」と振り返った。最終ゲームのメディカルタイムアウト後に流れを失った。「メディカルタイムアウトを取ることに関しては、私にも権利があるので、相手にも権利があると思いますし、全く意見はないです」と強調した上で「自分としてはすごくすごく疑問に思う部分がたくさんあります」と話すと、涙があふれた。
第1ゲームを取られて第2ゲームを取り返す接戦となり、勝負は最終ゲームにもつれた。2―2からYGサーブで連続得点と、一気に流れをつかんだ。だが、4―2の場面で、早田が1分間のタイムアウト。同じチームの岡雄介トレーナーがベンチ外から早田のもとに来て、左腕に触れた。その後、早田がメディカルタイムアウトを要求。数分後に認められると、ベンチで岡トレーナーによる治療を受けた。
取材エリアでは涙ながらに最終ゲームの状況ついて疑問を呈した。「メディカルタイムアウトを取ることに関しては、私にも権利があるので、相手にも権利があると思いますし、全く意見はないです」と、早田との勝負には意見はないと強調したが、試合の運営については言葉を選びながら疑問を呈した。「何から話せばいいのか…まず、審判から自分に対して説明がなかった。審判長の方もいたのに、自分も一回『どうして?』と聞いたんですけど、あまりちゃんとした答えが返ってこなくて。相手がベンチに戻ったので、自分ももう一回ベンチに戻るかという感じでした」と振り返り、早田のトレーナーが直接治療に当たったことに言及した。
「あとは大会の治療の方がいて、そこまでは意見はないけど、途中から(相手の)自分のコーチでもある方が治療をされていたので、そこはすごく疑問に思いました。大会の人が治療するのが正解だと思いましたし、(メディカルタイムアウトの間に)アドバイスだってできるかもしれないし…。そこはすごい試合中も疑問に思いながら待っていました」。
早田とは、13歳だった21年の初対戦から過去の対戦は国内外で2勝13敗。8日の初戦勝利後、早田戦へ「サーブの練習をします」。
中学から拠点を置く“第二のホーム”神奈川で日本初開催の大会は16強で終戦。それでも最後は気丈に振る舞った。「負けは負けですし。相手がメディカルタイムアウトを取ってからペースを失ってしまったり、そこは反省点でした。新たな経験にはなりました」と涙をぬぐった。「日本初のチャンピオンズで、たくさんの応援をいただいてうれしかったです。日本の皆さんの前で、もっとたくさん試合をしたかったです」と一番の後悔を口にし、横浜の会場を後にした。