◆テニス ▽シンシナティ・オープン(9日、米オハイオ州シンシナティ)

 女子シングルス2回戦が行われ、世界ランキング94位の伊藤あおい(SBCメディカルグループ)が、2021年全仏準Vで、今年の全豪、ウィンブルドン8強の同33位、ロシア出身のアナスタシア・パブリュチェンコワを6-1、4-6、6-4のフルセットで破った。

 4度目のマッチポイント。

心が折れ、力尽きた相手のショットが、わずかだけベースラインを割ると、伊藤が再び金星を挙げた。自称「へにょへにょテニス」が、24日から始まる全米オープン(ニューヨーク)を前にして、前哨戦で世界を驚かす金星を連発だ。

 第1セット、伊藤は、相変わらずフォアハンドで逆回転のスライスを基調に、緩い球を送り続けた。短い球をわざと出し、決めようとしてミスを誘発。伊藤はまんまとあり地獄にはめ、1ゲームしか失わなかった。

 第2セットは相手のパワーが上回り落としたが、最終セットに入ると、一気に5-2とリード。2本のマッチポイントを逃したが、5-4リードから4本目のマッチポイントで、相手のミスを誘った。

 伊藤は、先週のナショナルバンク・オープン(カナダ・モントリオール)2回戦でも、同9位で2024年全仏、ウィンブルドン準優勝のジャスミン・パオリーニ(イタリア)を破る金星を挙げていた。

 棒立ちで、筋トレ嫌いのひょろっとした体型から、ペースのない球と、時折のカウンターで戸惑わせる。自身がつけたプレーの名前が「へにょへにょテニス」。じわじわと、わなに誘い込む真骨頂で、並み居る強豪のメンタルをへし折り続けている。

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