◆卓球 ◇WTTチャンピオンズ横浜 第3日(9日、横浜BUNTAI)
シングルス2回戦が行われ、女子で昨夏のパリ五輪銅メダルで世界ランク13位の早田ひな(25)=日本生命=が同6位の張本美和(17)=木下グループ=を3―2で退け、8強入りした。今季世界ツアー4勝の張本美の勢いを止めたエースが、初の頂点に挑む。
早田が日本女子のエースの気迫を示した。張本美と2回戦で実現した日本勢対決。フルゲームの熱戦を制し、「今日は気持ちの勝負。相手は素晴らしい選手。自分自身が最後まで後悔しないように試合をしようと、どんな1本でも粘り続けるという気持ちだった」。世界ランクで日本勢最高6位の張本美に16度目の対戦で14勝目と壁になり、胸を張った。
アクシデントを乗り越えた。第5ゲーム(G)の2―4の場面で左腕を気にする様子を見せ、審判にメディカルタイムアウトを求めた。岡雄介トレーナーがベンチで左手を押さえ、アイシングなどで治療。コートに戻ってプレーを続行し、勝ち切った。
大会中に左腕を負傷しながら、シングルスで銅メダルを獲得したパリ五輪から1年がたった。左腕への負担を考えて封じていたサーブやバックハンドの技術も、2週間ほど前から練習では全てを出せるようになってきた。「まだまだだけど、パリ五輪の自分を超える気持ちで頑張っていきたい」。さらなる試練が襲っても、変わらぬ向上心が強さを支えている。
準々決勝は世界3位の陳幸同(中国)と対戦する。「もっと厳しい試合になると思うけど、このホームでみなさんの応援を力に変えて頑張っていきたい」。日本初開催のチャンピオンズで頂点へと突き進む。(林 直史)