巨人のファーム選手の今を伝える「From G」。第12回はドミニカ共和国出身の育成新外国人、クリスチャン・フェリス内野手(22)。

フェリスは、27年からセ・リーグでも導入が決まったDH制でチャンスをつかむ可能性のある左の大砲候補。6月に球団が同国で実施したトライアウトで選抜、発掘された原石が、ジャパニーズドリームをつかむための意気込みを語った。(取材・構成=小島 和之)

 フェリスの武器は身長200センチ、球団史上最重量となる127キロの恵まれた肉体から生み出すパワフルな打撃。粗削りな部分はあるものの、ブルージェイズのマイナー1Aに在籍した昨季は138メートルの特大弾や打球速度185キロの超速弾を放ち、過去には140メートルの本塁打も記録するなどパワーは本物だ。

 「長打力、パワーがあることが魅力。日本の文化、言葉や野球のやり方を覚えて、少しずつレベルアップして支配下を目指したい」

 今月4日には、27年からセ・リーグでもDH制が採用されることが決定。打撃に秀でた選手を起用できるメリットがあり、今後の成長次第ではフェリスもDH枠を争う一人となる可能性を秘める。

 「自分にとって(出場の)チャンスが増えるということ。日本に来て、活躍できるチャンスが増えたと感じています」

 幼少期から身長が高く、バスケと野球の二刀流だった時期もあったという。

 「母親が(身長が)大きいから、その遺伝子でそのまま大きくなっちゃった感じ(笑)。バスケは10歳から始めて13歳ぐらいまで。身長を生かしたいい選手だったんですけど、母親から『男の子だったら野球選手になってほしい』と勧められた。

最終的には自分で野球をしようと決めました」

 愛称は「ザ・リーダー」。持ち前の行動力と前向きな性格で、チームにいち早く溶け込むつもりだ。

 「子供の時からリーダーシップを取って、仲間を引っ張るような感じだったので、『リーダー』と呼ばれていました。明るい性格が自分の一番いいところだと思うので、何とかチームになじんでいきたい」

 憧れはカブスなどでプレーした外野手で、23年に現役を引退したデクスター・ファウラー氏。メジャー通算127本塁打、149盗塁で、16年のワールドシリーズ第7戦では、史上初の先頭打者弾を放ったリードオフマンだ。

 「自分と同じような長打力のあるプレースタイルで、子供の頃からスイングをまねしていました。トロントでプレーしていた時に初めて知り合って、そこから憧れの選手になりました」

 米国とは異なる日本の野球を学ぶことをチャンスと捉え、飛躍へとつなげていく。

 「ベースボールと野球の違いを勉強したいと思って(日本に)来た。日本のレベルは米国のように高いし、野球に対する取り組みの姿勢が素晴らしい。とにかくホームランを目指して、一生懸命にバットを振りたい」

 ◆クリスチャン・フェリス(Cristian Feliz)2002年9月7日、ドミニカ共和国生まれ。22歳。フアナ・デ・アルコ高出身。

21年から23年まで米ブルージェイズルーキーリーグ、24年は同1Aでプレー。マイナー通算195試合、打率2割1分、28本塁打、97打点。200センチ、127キロ。左投左打。

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