◆陸上 第65回実業団・学生対抗(9日、神奈川・レモンガススタジアム平塚)
男子100メートルで昨年のパリ五輪400メートルリレー代表の柳田大輝(東洋大)は、10秒11(追い風0・5メートル)で優勝したが、世界選手権代表入りに近づく、9秒95超えはならなかった。
スタートを慎重に出て序盤は横一線だったが、中盤からギアを上げるとグンと加速して抜け出し、優勝した。
柳田は4月の学生個人選手権を制覇すると、5月は関東学生対校選手権で追い風参考記録ながら9秒96で優勝。続くセイコー・ゴールデングランプリ(GGP)、アジア選手権を共に2連覇するなど4連勝中だったが、7月4日の日本選手権(東京)はまさかの不正スタートで失格。それでも、同21日のワールドユニバーシティゲームズ(ドイツ・ラインルール)で3位に入り、日本勢で5大会ぶりのメダルを手にするなど勢いを取り戻したかにみえたが、タイムを上げきれなかった。「日本選手権後は割とその日のうちに自分でもネタにしていたくらい。日本選手権でやらかしたのは自分なんで。まだやれることはある。やれることはすべてやりきっておきたいな」と前向きに話した。
同種目の代表争いはしれつを極める。桐生祥秀(日本生命)、守祐陽(大東大4年)の2人が3日の富士北麓ワールドトライアルで参加標準記録(10秒00)を突破した。これにより7月の日本選手権で優勝している桐生の3枠ある代表入りが確実。
残り2枠を記録の有効期間(8月24日)までに競うが、守は日本選手権で7位に入賞(8位以内)しており、選考では2番手。サニブラウンと清水は同選手権で入賞していないが、選考の基準となるワールドランキングなどからサニブラウンが3番手になる。
ただ、日本選手権入賞者が参加標準記録を突破すれば、サニブラウンの上をいくことになるだけにほか選手にも可能性は大いにある。選手権入賞者以外は、サニブラウンの9秒96を超えることが代表入りへの道となる。