◆第30回エルムステークス・G3(8月9日、札幌競馬場・ダート1700メートル、稍重)

 第30回エルムS・G3(ダート1700メートル)は9日、札幌競馬場で14頭によって争われ、単勝5番人気のペリエール(佐々木)が勝利。23年ユニコーンS以来となる重賞2勝目を挙げた。

勝ちタイムは1分43秒5(稍重)。

 素質馬が完全復活を遂げた。ペリエールは最内1番枠から速いスタートを決めると、道中は先行集団の後ろをリズム良く追走。直線ではグイグイと脚を伸ばして残り1ハロンで抜け出し、後続に2馬身半差をつける完勝劇を披露した。大沼S(函館)からの北海道シリーズ連勝に、佐々木は「追い切りから小回りのこなしが上手と感じていましたが、そのへんが生きてきています」と納得の表情を浮かべた。

 コース適性だけでなく馬自身の進化も著しい。黒岩調教師は「以前は前のめりになるところがあったけど、だいぶためが利くようになりました。スタートも出たし、いい走りだったと思います」と満足げ。「休養して秋に備えますが、また広いコースで大きなレースに挑戦したいですね」とG1の舞台へ向け気合をみなぎらせた。

 同厩舎はエースのアスコリピチェーノが17日に仏G1・ジャックルマロワ賞に挑戦する。最高の結果となった“前哨戦”に、トレーナーは「弾みのつく1勝になりましたね」と笑みが絶えなかった。(角田 晨)

 ◆ペリエール 父へニーヒューズ、母ソフトライム(父フジキセキ)。

美浦・黒岩陽一厩舎所属の牡5歳。北海道新ひだか町・チャンピオンズファームの生産。通算16戦6勝(うち地方2戦0勝、海外1戦0勝)。総獲得賞金は1億9049万7200円(うち地方1120万円、海外659万3200円)。主な勝ち鞍は23年ユニコーンS・G3。馬主は長谷川祐司氏。

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