◆第107回全国高校野球選手権大会第5日 ▽1回戦 明豊6―2市船橋(9日・甲子園)

 アルプスが奏でるメロディーに背中を押された。5点を追う6回1死二塁、3番の花嶋大和(3年)が打席に入ると、一塁側アルプス席から“市船ソウル”のメロディーが流れてきた。

スタンドのファンからは手拍子が。その後押しを受けてか、花嶋は平凡な三ゴロを一塁への魂のヘッドスライディングで内野安打に。終盤の追い上げも実らず初戦で聖地を去ることになったが、「吹奏楽部の素晴らしい演奏とアルプスが満席になる応援のおかげで自分たちは野球をやってこれているので、応援してくださった人には感謝しかないです」と涙した。

 県大会決勝で顔面に死球を受けて患部を10針縫い、大阪入り後に抜糸。食事を取りづらい時期もあって体重は3キロほど減ったというが「プレーには問題ありませんでした。やるしかないので強い覚悟を持って甲子園に来ましたし、怖いなんて言っていたら甲子園で戦えないと思うので」と闘志満々でスイング。2安打を放って意地を見せたが3回、自らの失策がからんで2点を先制されたことに「自分のミスから始まってメンバーに申し訳ないです」と悔しがった。

 高校通算24本塁打の右スラッガーは今後も野球を続ける予定。「高いレベルで野球をやりたいので、そこに向けて海上先生に相談してしっかりやっていきたいです」と次のステージを見すえていた。

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