◆JERA セ・リーグ DeNA3―4巨人(9日・横浜)

 シーソーゲームとなった2位争い。無死一、二塁のチャンスに7回のDeNAは梶原に強攻策。

8回の巨人は岸田にバントという違いがあった。1点を取り切れれば大勢―マルティネスで勝てるという阿部監督の思考、しっかり足元を見た采配が最後の勝敗を分けた試合だったが、全員が必死になって流れをつかんだ巨人の白星ともいえる。

 泉口の猛打賞も立派だが、必死さが一番見えたのが岸田。同点の6回1死一塁では球を見極め四球を選び、坂本の適時二塁打を呼んだ。やはり同点とされた8回無死一、二塁では2球続けてバントを失敗しながらもスリーバントを決め、大城卓の決勝犠飛につなげた。

 坂本はさすがの当たりだったし、大城卓も外角高めの真っすぐをよく外野まで運んだ。ベテラン2人は、もちろん頼もしい。ただ2人はヒーローというよりは、若い選手が懸命に整えてくれた舞台で、気持ちをくみ取る仕事をしたという感じ。層の厚さというよりは、チームに一体感を感じた。(スポーツ報知評論家・高木 豊)

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