◆JERAセ・リーグ 阪神6―2ヤクルト(9日・京セラドーム大阪)

 阪神・石井大智投手(28)が「セ界一」に肩を並べた。4点リードの9回を3者凡退に封じ、38試合連続無失点。

06年の阪神・藤川球児(現監督)が持つセ・リーグ記録を達成し「恐れ多い」とお立ち台で照れた。

 藤川監督が「チームの心臓」と強調する救援陣の中心に座る。23年7月13日のDeNA戦(甲子園)以来、119試合連続で被本塁打ゼロ。幼少期、地元・秋田で放送された阪神戦を見て「いつか投げたい」と夢見たのが火の玉ストレート。背番号22が見守る中、最後は憧れの直球で決めた。

 NPB史上唯一の5年制高専卒業選手。最高潮にも映る今を「耐えている」と表現し、謙遜する。「ボールも調子もよくない…」。だから理系出身らしく、打者を体の使い方に応じタイプ分けし、自室でも資料に目を通す。打者の左右だけに固執しないデータを根拠に起用してくれる首脳陣にも感謝する日々だ。

 藤川監督は「大きな声で言えないけど、非常にうれしい」と最大級の賛辞を送った。チームは逆転勝利で連敗ストップ。

マジックは一つ減り、31だ。「結果は生まれた時から決まっている。僕は人生のレールに乗っているだけ」と石井。周囲の期待は高まる一方だが、淡々と仕事を続ける。(直川 響)

編集部おすすめ