◆第107回全国高校野球選手権大会第6日▽1回戦 東海大熊本星翔―北海(11日・甲子園)
10日に行われる予定だった第107回全国高校野球選手権大会(甲子園)の第6日の4試合が天候不良が予想されるため11日に順延となった。2年ぶり出場の北海(南北海道)は、11日の第2試合で東海大熊本星翔と対戦する。
雨にも負けず、暑さにも負けず、北海・浅水が初めての聖地のマウンドで実力を見せつける。9日は、ブルペンで投球練習を行い調整。全球種を投じ、「順調。(南北海道大会)決勝の時よりもいい状態になっている。いよいよだなと、楽しみの気持ちが強い」と心待ちにした。
今年は春から中継ぎ、抑えでの起用が続いていたが、南大会決勝・札幌日大戦は今季初先発で3安打完封勝利。圧巻の投球でチームを2年ぶりの大舞台に導いた。大会後は「スライダーが大きく曲がりすぎてキレがなかったり、真っすぐがシュートしすぎてしまっていた。コントロールを意識して、そこを修正してきた」。関西入り後に5キロ前後体重を増やす選手も多い中、食事の量を制限して体重を維持。
順延後の11日も悪天候が予想されている。札幌西シニアでプレーしていた中学時代は、負け試合のほとんどが雨。苦手意識があったが、高校では雨が降る中で行われた昨春の全道準決勝・東海大札幌戦で公式戦初完投勝利。「練習では多少の雨でも投げるようにして、苦手にならないようにしてきた。心配、不安な部分はない」と言い切った。
南大会優勝後にグラブを新調。日本ハム、巨人でプレーしたOBの鍵谷陽平氏(34)の現役時代と同じく、ウェブ(親指と人さし指の間にあるパーツ)に北海の校章でもある星をあしらった。北海道の地形をかたどった刺繍も手を入れる部分に入っており、「北海道代表として恥のないピッチングをしたい」。敵は相手打線のみ。167センチの小さなエースが、南北海道を制した投球術で全国の強打者も翻弄(ほんろう)する。(島山 知房)