◆第61回札幌記念・G2(8月17日、札幌競馬場・芝2000メートル)

 前走のクイーンSで頭差の2着だったココナッツブラウン(牝5歳、栗東・上村洋行厩舎、父キタサンブラック)。直線の内で一瞬追い出しを待たされる場面もありながら、最後は目を見張る伸びで追い込んだ。

あと一完歩あれば差し切っていた内容に、手綱を執っていた北村友一騎手も「本当にいい馬。結果を出せず申し訳ない」と痛恨の面持ち。ダービージョッキーのその表情からも、ポテンシャルの高さがうかがい知れた。

 担当する柴原助手も「最初に乗ったときからかなり期待していました」と話すように能力はトップクラス。だが、同時に「どうしても体調が整わなくて…」とメンタル面、体質面に課題を抱え出世は遅れてしまっている。そのウィークポイントが札幌滞在では補えているようだ。「栗東にいるとすごく入れ込んでしまうし、カイバ食いも悪い。札幌だと馬が少ないからそこがいいですね。体重も減らず出せましたし」。前走のプラス20キロはむしろ本来の姿と言っていい。

 中1週でも「疲れはありません」と同助手はキッパリ。札幌の芝コースは外差し傾向になってきており、末脚鋭いこの馬にとっては願ってもないトラックバイアスだ。

遅れてきた大物が、真夏のトップレースを制する。

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