◆卓球 ◇WTTチャンピオンズ横浜 第4日(10日、横浜BUNTAI)

 男子シングルス準々決勝が行われ、世界ランク28位の戸上隼輔(井村屋グループ)は同2位の王楚欽(おう・そきん、中国)に1―4で敗れた。0―1の第2ゲームを11―5で奪ったが、最強国・中国の“壁”を越えられず。

戸上は「自分が得意とするラリー戦に持って行けず、最後まで何もできずに終わってしまった」と悔しさをにじませた。

 力負けだった。9日の2回戦が終わったのが午後11時過ぎ。上田仁コーチと宿泊先で「コンビニ飯」を食べながら、世界卓球個人戦金メダルの王戦の戦略を練った。第1ゲームから王の世界屈指のサービスに翻弄(ほんろう)され、7―11で取られた。

 第2ゲームは戸上が反撃し、サービスから3球目攻撃など磨いてきた技術を駆使し、序盤から6連続得点。中国のスターに対する「加油(ジャヨウ)」の大声援に対抗するように、日本の「戸上」コールも生まれ、背中を押された。11―5で圧倒し「このまま行けばチャンスがある」。だが、第3ゲーム以降、王が得意のサービス、3球目攻撃で揺さぶり、中陣に下がったラリーでも戸上を上回った。戸上は3ゲームを連取されて、流れを取り戻せずに終戦。「サービス、レシーブ、3球目、4球目のプレッシャーがすごくて、思い切った戦術が出せなかった」とうなだれた。

 28年ロサンゼルス五輪を目指す23歳。

5月の世界卓球個人戦では篠塚大登(愛知工大)と組んだ男子ダブルスで日本勢64年ぶりの金メダルに輝いた。シングルスでも今回、世界卓球個人戦に続く、8強入りで力をつけてきた。世界のトップ選手との対戦で「立ち位置を知りたかった。大きく成長できる一戦。この負けを上田コーチと一緒に反省して、次の舞台につなげたい」と顔を上げた。敗戦を糧に、飛躍を期す。

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