◆卓球 ◇WTTチャンピオンズ横浜 第4日(10日、横浜BUNTAI)

 男子シングルス準々決勝が行われ、世界ランク4位の張本智和(トヨタ自動車)が同9位の向鵬(しゃん・ぱん、中国)を4―2で退け、4強進出を決めた。

 張本智は試合中、足をほぐす場面があった。

体の状態を聞かれると「ちょっと(足を)つりかけていたけど、今日はできるだけメディカル(タイムアウト)は使いたくなかった」。そして自ら言葉を続け、妹・張本美和(木下グループ)が早田ひな(日本生命)と対戦した9日の女子シングルス2回戦に言及した。

 試合は2―2の最終ゲーム、張本美が4―2でリードした場面で、早田が約2か月前に尺骨神経を圧迫し、しびれた状態だったという左手の治療のため約5分間のメディカルタイムアウトを求め、審判に認められた。中断から再開後、流れを失い、フルゲームで敗れた。

 試合後、張本美は涙ながらに審判から説明がなかったことや「途中から(相手の)自分のコーチでもある方が治療をされていたので。(メディカルタイムアウトの間に)アドバイスだってできるかもしれないし…。そこはすごい試合中も疑問に思いながら待っていました」と疑問を呈していた。

 これに対し、宿舎で中継を見ていたという兄は「見ていて涙が出てくるぐらい僕も悔しかった。今日はもう本当に美和のコメントするためだけに今日頑張りました」と胸の内を明かした。その上で「妹に言いたいことは一つだけですね。己を強くするしかない。理不尽だろうが、理不尽じゃなかろうが、それを乗り越えてこそ真のチャンピオン。

これが世界卓球やオリンピックじゃない。安い授業料だと思う。今回で学べるんだったら、それはプラスになる」と愛情のこもった厳しいメッセージを送った。

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