◆第61回CBC賞・G3(8月10日、中京競馬場・芝1200メートル、良)

 サマースプリントシリーズ第4戦、第61回CBC賞・G3は、中京競馬場の芝1200メートルで行われ、5番人気のインビンシブルパパが逃げ切って重賞初勝利。初コンビの佐々木大輔騎手(21)=美浦・菊川厩舎=は土曜のエルムSに続く連日の重賞勝利となった。

 小雨の降る尾張のターフで鮮やかに逃げ切った。外の17番枠から楽々とハナを奪ったインビンシブルパパ。「できる限りペースを落としたかった」という佐々木の思惑通り、前半600メートル通過が34秒0の楽なペースを刻んで主導権を握った。残り200メートルではスパートをかけてきた他馬を尻目に、右ステッキの合図で手前を替えてグッとひと伸び。全身で手綱を押す鞍上の鼓舞に応えて力を振り絞る。上がり3ハロンは33秒4。半馬身差で重賞初制覇のゴールに飛び込んだ。

 前日の9日には札幌のエルムSをペリエールで制覇。翌日は中京に舞台を移し、2日連続の重賞勝利となった21歳は「中京に乗りにきて良かったです(笑)。うまくリラックスしたなかでペースを落とせた。最後は止まっていたけど、よく粘ってくれた」と初コンビのパートナーをたたえた。

 デビュー2戦目から右回りのダート戦を主戦場にしてきたが、初めて芝に投入された前走の函館スプリントSで見せ場十分の4着。

先手を取って芝で通用するスピードを見せた。調教での体の使い方、手前の替え方から適性を見込んでいた左回りで、見事な一発回答。伊藤大調教師は「完璧でした。ずっと左回りの方がいいと言っていたので、証明できて良かった。手前を替えた瞬間にもうひと伸びできる。あれをやられると他馬はつらいですよね」と手放しで称賛した。

 待望の初タイトルを獲得し、目の前にはさまざまな可能性が広がる。「まだまだ伸びしろがある馬。これで海外も含めて、いろいろな選択肢が増えた。馬の状態ありきで、いろいろと考えたい」と指揮官。見据えるのは国内、世界の大舞台。英語のinvincibleの意味の通り、これから「無敵」の快進撃が始まる。

(山本 理貴)

 インビンシブルパパ 父シャラー、母シュワイムシャ(父キャンフォードクリフス)。美浦・伊藤大士厩舎所属の牡4歳。豪州・Arrowfield Group Pty Ltdの生産。通算10戦6勝。総獲得賞金は1億2160万9000円。重賞初勝利。馬主は迫田三果子氏。

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