ノルディックスキー複合で五輪3大会連続でメダルの渡部暁斗(北野建設)が11日、長野・白馬でローラースキー練習を公開した。あいにくの雨だったが、スプリント練習をこなすなど約1時間、練習を行った。

 来季、26年ミラノ・コルティナ五輪は集大成の五輪と公言している。最後に向け、夏から昨季のW杯の後半戦で得た気づきを、走りに落とし込み、動きの感覚を確かめている。渡部暁は「今までは腰がそった状態で乗り込んでいたものを後傾させる意識で。ちょっと後ろの感覚なんだけど、それの方が体のバランス自体は整っていて骨の位置とかがすごくいい位置にきている。余計な筋肉で押さえ込まなくても、骨がスキーの上に積み木が積み上がっているだけでバランスが取れているみたいな状態って言えばいいんですかね。骨の骨格標本をみていますよ(笑い)。かなり大きい力が出せるっていうところまで体を理解してきた、20年くらいかけて」と手応えを口にする。

 自身の体を知り、集大成へ最高の仕上げを施している。春先から今季に向けての練習を始め、8月1日の札幌のジャンプ大会に出場した後、夏休みに入り、この日から練習をスタートさせた。「プラン立てとして夏のトレーニングを2クールに分けて、ピークを2つ持ってくるイメージでプランだてしている。これが過去22年(北京五輪)、18年(平昌五輪)と何回かそのやり方にトライしてことがあって、それが今のところ自分にあっていて理論的にも効果的。経験的にも科学的にも理にかなっている」と話す。

 五輪では奇跡を起こすつもりだ。今大会を初めてメダルを手にした14年ソチ五輪前の感覚と同じ話し、「自分に対する期待値も自分でも低いし、周りもそんなに期待していないのも分かるんですけど、そんな中で2月に最高のパフォーマンスができたらかなり奇跡的だと思うんですけど、オリンピックの面白さ、いい部分って奇跡がみられるみたいなところがあるじゃないですか。だからそういのを自分でも楽しみにしながら。皆さんにアッと驚いてもらえるような大会にしたい。だから今までで一番楽しみかもしれませんね」。いたずらっぽく笑うベテランは、ラストと位置づける五輪に金メダルをつかみにいく。

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