◆フィギュアスケート サマーカップ 第3日(11日、滋賀・木下カンセー・アイスアリーナ)
シニア女子ショートプログラム(SP)が行われ、昨年12月の全日本選手権以来、234日ぶりの実戦となった三原舞依(シスメックス)が60・98点で12日のフリーに進んだ。「自分の中で一番いいジャンプはできなかったが、まずまずのスタートができた」と笑顔で振り返った。
SPは以前も使用していた「思い入れの深い」という戦場のメリークリスマス。冒頭にダブルアクセル(2回転半)を決めるなど、演技後にはガッツポーズを作った。観客からも多くの拍手が送られ、完全復活を印象づけた。浅田真央さんからも「すごくいいじゃん」と背中を押され慣れ親しんだプログラムを再演している。
昨季は右足首と股関節の状態悪化により、全日本のフリーを棄権。その後の大会にも出場できずシーズンを終えた。現在は陸上のトレーニングを増やし、足首を強化。「ここまで帰ってくる道は大変だった。明日も頑張ろうと思ったとき崩れてしまったり、体の波がある中で少しでも違うところでカバーしようと切り替えたり」と苦悩の日々を語った。
約1か月は氷に乗れない期間が続いた。その後は2月からスケートを始めたばかりの頃に行っていた片方の足でスネークをしたり、ひょうたんを描くことを行っていた。「周りの方々のサポートのおかげでここまで来られたので、そんな日々を思い出しながら滑りながら涙が出そうになった」と試合に立てる喜びをかみしめた。
全日本出場を目標とする今季。初戦でフリー進出を決め、表情も和らいだ。フリーも2季前に使用した「ジュピター」を滑る。「フリーを滑れることがすごくうれしい。フリーでも感謝の思いを込めて滑れるように、疲れを取ってパワーチャージしたい」と思いを込めて再び演じきる。