◆米大リーグ ドジャース4―5ブルージェイズ(10日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 ドジャース・大谷翔平投手(31)が10日(日本時間11日)の本拠地・ブルージェイズ戦に「1番・DH」で出場し、初回先頭で2戦連発となる41号ソロを放ち、リーグトップのシュワバー(フィリーズ)に並び6日ぶりにキングに返り咲いた。今季11度目の初回先頭打者弾はシーズンでは歴代8位タイ。

23年ベッツ(12本)の球団記録に王手をかけ、24年シュワバー(15本)のメジャー記録も射程に捉えた。

 やや泳がされ、ほぼ片手一本で捉えながら、大谷の打球は右翼席に吸い込まれた。1点を追う初回先頭。カウント1―2と追い込まれてから、86・7マイル(約139・5キロ)の低めカットボールを拾った。速度106・3マイル(約171・1キロ)の一撃は、代名詞の中堅から左方向ではなく、7月11日の敵地ジャイアンツ戦で放った32号スプラッシュヒット以来となる右方向へのアーチとなった。2戦連発の41号は今季11度目の先頭打者本塁打。リーグトップのシュワバーに並び、キングに返り咲いた。

 先頭弾は今季11本目で歴代8位タイ。23年にベッツ(12本)がマークした球団記録に王手をかけた。1番打者として最多90試合に出場した昨季は「どの打順でもアグレッシブに変わらず過ごしたい」と話していた大谷。今季はすでに自己最多106試合でリードオフマンを務め、24年シュワバーのメジャー記録(15本)を視界に捉えた。

 昨季の54発を上回るシーズン56本塁打ペース。

歴代最多の先頭弾記録を含め、キーワードは「辛抱」になりそうだ。1点リードの2回1死二塁では早くも申告敬遠された。3―4の8回1死二塁でも、この日2個目でリーグ最多となる今季16個目の申告敬遠。前日に引き続いて勝負を避けられ、本拠地は大ブーイングに包まれた。大谷は「どれだけ四球をしっかり選べるか。(投球が)なかなかゾーン内に来ない時にしっかりと我慢できるのが、全体的な打席の中で大事」と我慢の重要性を口にする。ボール球を追いかけて打撃を崩す悪循環を避けるためにも、年々マークが厳しくなる中、打ちたい気持ちをグッとこらえている。

 チームは救援陣が3被弾で逆転負けを喫したが、大谷は8月全9試合で安打を放ち、3戦連続マルチ安打で月間打率は4割5分7厘と絶好調。前日に現役唯一の3年連続40本塁打を達成し史上6人目の2年連続50発も見えてきた。昨季は8月以降に驚異の計22発で本塁打王に輝いた背番号17に、今年も“ラッシュ”の予感が漂う。(竹内 夏紀)

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