◆第107回全国高校野球選手権大会第6日 ▽1回戦 県岐阜商6―3日大山形(11日・甲子園)

 春夏計4度の日本一を誇る名門・県岐阜商が日大山形に逆転勝ちし、16年ぶりの夏白星。生まれつき左手の指が欠損しているハンデを抱える横山温大(はると)外野手(3年)が「7番・右翼」で出場。

同点打を含む4打数2安打1打点の活躍を見せ、決勝のホームを踏んだ。

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 勝利を誰よりも家族に届けたかった。横山3きょうだいは全員、野球経験者。兄・昂大さん(28)は岐阜聖徳学園で甲子園を目指した元球児で、横山が野球を始めたきっかけだ。姉・香穂さん(24)は女子軟式野球の白鳩フェリックスに所属。この日、埼玉県内で全日本女子軟式野球選手権大会に出場し、初戦を突破した。同日の3回戦で敗退したが、きょうだいそろって全国の舞台で勝った記念日となった。

 両親と兄はアルプスで観戦。試合後、横山は「親には一番迷惑をかけたし、一番お世話になった。その恩返しがまずここでできた」としみじみ語った。聖地での活躍は家族へ感謝を伝えるメッセージとなった。

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