◆パ・リーグ ロッテ3―5オリックス=延長10回=(11日・ZOZOマリン)

 オリックス・寺西成騎投手(22)は思い切り悔しがった。「2死までいけたので、もったいなかった」。

2点のリードをもらった直後。6回2死一、二塁で安田に右前適時打を浴びて降板となった。1点差のまま迎えた9回に守護神・マチャドが追いつかれ、自身の敵地初白星となる3勝目はお預けとなった。

 プロ初登板となったZOZOマリンで5回2/3を2失点。手加減なしの世界で、確かに成長している。根上中3年時の18年、テレビの企画で当時、阪神の主軸だった福留孝介氏(48)と対戦した。「手加減して、わざと三振してくれた(笑)」とレジェンドを立てたが、直球で空振りを奪い、実力を示した。「いっぱいご飯を食べて、大きくなって!」。7年前の激励は、指針となっている。

 野球人生で大切にしているのが「体づくり」。2月の宮崎キャンプでは、朝からソーセージ3本、目玉焼き2つ、春巻き2本をおかずに、メガ盛りご飯を平らげるのが普通になった。83キロだった体重を一気に4キロ増やし、今では立派な先発要員として戦っている。

 これまで原則として、中10日以上の間隔を空けてきた岸田監督は「堂々と、いい投球だった。(今後は)また考えます」と将来的な中6日の「解禁」も示唆した。8月初連勝の流れもつくり「1軍のローテで投げたい」と真っすぐに前を向いたドラフト2位右腕。再浮上のキーマンにもなりそうだ。(南部 俊太)

 〇…オリックスの3年目右腕・才木が、通算33試合目でプロ初セーブを記録した。同じ00年世代の太田が7号2ランを放った直後、延長10回の1イニングを1安打無失点。3つのアウトはすべて空振り三振で奪い「腕を振るしかないと思って投げた。緊張したけど、チームの100試合目でセーブを挙げられて良かった」と力強く拳を握った。岩崎、ペルドモ、マチャドの勝ちパターンに続く貴重な存在。「与えられた場面で、しっかり腕を振っていきたい」と残り43試合もフル回転する心意気だ。

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