◆第107回全国高校野球選手権大会第6日 ▽2回戦 日大三3―2豊橋中央(11日・甲子園)

 日大三の2年生4番・田中諒が、歴代18位タイ、区切りの夏30勝目をもたらした。同点の8回。

先頭で左越え決勝ソロだ。

 180センチ、92キロのたくましい体に詰まったパワーの全てをバットにぶつけた。「ガチーン」。衝撃音が明らかに違っていた。インコースの直球に「少し詰まったかな」と感じた打球は、それでも強い浜風に乗ってスタンドまで届いた。聖地で放った高校通算19本目の本塁打。「自分の強みは長打力です」と胸を張った。

 三木有造監督(51)によれば、強打の日大三で2年生が4番を務めるのは、坂倉将吾(広島)以来だという。「ヘッドスピードが違う。坂倉も2年の夏は、それほど打っていなかった」と感心しながら振り返った。

 坂倉は甲子園の出場こそなかったが、「代々の先輩が勝ったり負けたりしてきた甲子園で、自分が打って1勝できたのがうれしい」。伝統校の主砲らしく、歴史に思いをはせながら喜びをかみしめた。

(浜木 俊介)

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