◆米大リーグ エンゼルス―ドジャース(11日、米カリフォルニア州アナハイム=エンゼルスタジアム)
ドジャース・山本由伸投手(26)が11日(日本時間12日)、敵地・エンゼルス戦に先発し、4回2/3を6安打6失点でKOされた。6失点、6四死球は渡米後の自己ワーストと本来の制球力が影を潜めた。
エンゼルスとの「フリーウェーシリーズ」は2年目で初登板。0―0の初回。1番・ネトに初球の外角95・9マイル(約154・3キロ)直球を右中間席に運ばれ、先頭打者アーチで先制を許した。1死走者なしで迎えた通算398本塁打の3番・トラウトとの注目の初対決では四球を与えると、1死一、二塁から5番・モンカダには初球の76・8マイル(約123・6キロ)カーブを狙われ、右前適時打とされた。なおも1死一、三塁のピンチで追加点は許さなかったが、苦しい立ち上がりとなった。
2回は先頭から連続三振で2死を奪うと、1番・ネトは四球で歩かせたが、一塁から飛び出したところを冷静に対処して二塁タッチアウトとした。3回は1死からトラウトと2度目の対決で二ゴロに打ち取ると、2死から早くもこの日4つ目の四球をウォードに与えたが、モンカダを二ゴロに仕留めた。4回は先頭の6番・アデルを直球で空振り三振、8番・ダーノーを直球で見逃し三振とこの日初の3者凡退と立ち直りの気配を見せた。
しかし、0―2の5回。先頭の9番・テオドシオに右前打を許すと、続くネトに左前打、シャヌエルには死球で無死満塁と再びピンチを招いた。プライアー投手コーチがマウンドで助言を送った直後、3番・トラウトと3度目の対戦では内角スプリットで詰まらせたが、右前への2点適時打となり、リードを4点に広げられた。
前回3日(同4日)の敵地・レイズ戦では「体感気温40度」という悪条件の中、6回途中5安打無失点の“熱投”で渡米後初の10勝に到達。MLBで日本人投手の2ケタ勝利は18人目だった。メジャー1年目の昨季は6月から右肩痛で約3か月の離脱を経験。今季は日程に余裕のある序盤は中6日、5月上旬からはオールスターブレイクを除いて中5日で先発してきたが、今回は中7日。「由伸に一日多く休養を与えたかった」とロバーツ監督は説明しており、疲労面などを考慮した格好だ。今季はこの日まで22試合で10勝7敗、リーグ4位の防御率2・51でサイ・ヤング賞候補にも挙がる新エース。敵地では12試合で7勝3敗、防御率1・63(10日終了時点)と好投が続いていたが、この日は序盤から苦しい投球となった。