◆JERA セ・リーグ 巨人3―4中日(13日・東京ドーム)

 巨人の田中将大投手(36)の日米通算199勝目は、またもお預けとなった。中5日で中日戦に先発。

初回に丸佳浩外野手(36)の先頭打者本塁打などで幸先良く3点をプレゼントしてもらったが、5回に二塁手・門脇の痛い失策も絡んで一気に追いつかれ降板。自責0ながら、5回3失点で4月3日以来の今季2勝目はならなかった。チームは2番手の菊地が6回、チェイビスに決勝ソロを浴びて逆転負け。貯金は0となり、首位・阪神との差は再び12に開いた。

 悪い流れを断ち切れなかった。田中将が5回を悔やんだ。1点差に迫られなお2死二塁。連投したスプリットがわずかに浮き、ボスラーに同点中前打を浴びた。5回81球で自責0ながら3失点。「絶対にあそこはリードを保ったまま降りないといけなかった。非常に悔しい。後続の投手陣に負担をかけてしまって本当に申し訳ないです」。

日米199勝目の権利を得るまであと2死からの悪夢だった。

 9連戦のラストを託され、楽天時代の21年以来1軍では4年ぶりとなる中5日での先発。直球は要所で最速148キロを連発しスプリット、スライダー、最遅104キロスローカーブも駆使して4回までに5三振を奪った。今季2勝目に向けた4度目の挑戦。初回2死二塁のピンチは9球勝負に粘り勝ち細川を内角直球で見逃し三振。3点の援護を背に、3回2死満塁もボスラーを外角低め142キロのスプリットで一ゴロに退けた。

 リチャード、泉口らの好守も力になった。だが5回、1死一塁から併殺コースの二ゴロを門脇が二塁へ悪送球して失点。流れは一変し、上林にも適時二塁打を許した。「試合を通していい守りに助けられていた。あそこは何とかカバーして抑えたかった」と責任を背負い込んだ右腕に、杉内投手コーチも「同点までは(続投)と監督には伝えていた。チームが勝つのがウチは大前提。

その中で是が非でも勝ちをもぎ取ってほしい」と声をかけた。

 投手陣最年長には信念がある。「しんどい、って顔に出して結果を引きずって暗くいることが、チームに何のプラスになるねんって。ただでさえ僕には気をつかうやろうに、そんな姿を見せたら雰囲気もマイナスになりかねない」。7日のヤクルト戦(東京D)も増田大の失策から失点。試合中、試合後と何度も謝られたが「全然気にしないで」と顔を上げさせた。この日も門脇に「ごめん」と謝り、ベンチ前で出迎える姿があった。

 200勝への道は足止めも、6回途中自責1、5回自責0と2戦連続で力投。前回課題となった与四球も4から1へ減らした。「(勝つのが)簡単じゃないのはわかってる。それをずっと積み重ねてきてるので。これまでも簡単だと思ったことはない。

ただ、チームを勝ちに近づける投球をしていかないといけない」と背番号11。仕切り直し、次の出番に備える。(堀内 啓太)

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