◆第107回全国高校野球選手権大会第10日 ▽2回戦 聖隷クリストファー―西日本短大付(15日・甲子園)

 15日の2回戦で西日本短大付(福岡)と対戦する聖隷クリストファーは14日、兵庫・西宮市内で約2時間の調整を行った。校名にカタカナが含まれるチームは、春夏合わせ過去6校が甲子園に出場も、1大会で2勝したチームはない。

県勢は夏の聖地で福岡勢に2戦2敗。しかも、ともに初出場だった静岡市立と東海大一(現東海大静岡翔洋)が敗れている。ジンクスを吹き飛ばし、カタカナが含まれる校名として初の2勝へ、4番の渡部哉斗一塁手(3年)が、得点源になることを誓った。

 4番・渡部哉は「走者が出ていれば、自分の一本でかえすような打撃がしたい」と勝負への覚悟をにじませた。9日の明秀学園日立戦(5○1)の初回、2死三塁から先制の左中間二塁打を放った左打者は腕をぶす。

 西日本短大付には、3季連続で甲子園のマウンドに立つ右腕・中野琉碧(3年)と左腕の原綾汰(3年)がいる。両投手とも球速は130キロ台半ばと驚くようなスピードはないが、制球力に優れ、初戦の弘前学院聖愛(青森)戦で好投した。チームは2人への対策を練る。この日、4番打者は左腕の高部陸(2年)と右腕の上田一心(3年)を相手にシート打撃を行い、最後は左右の打撃投手相手に汗を流した。「調子は悪くない」と攻略へ手応えは十分だ。

 校名にカタカナが入った学校の甲子園出場は春夏合わせて聖隷で7校目。勝利を挙げたのは5校目となる。

秋田経法大付時代の1989年に夏4強入りしたノースアジア大明桜(秋田)は、2020年に現校名に変更以降、1勝どまり。2勝すれば、カタカナ校名校としては初の快挙だ。渡部哉は進学する前に「校名は気になりました」と話すが、「キリスト教という印象だけで、何をするのかわからなかったのですが、普通の学校と変わらない」と笑う。

 県勢と福岡勢の甲子園での対戦は62年に静岡市立が久留米商に0―5、65年には東海大一が、前巨人監督の原辰徳さんの父・貢さんが率いた三池工に1―11で大敗している。同じく初出場校だった2校の借りを返し、歴史に名を刻む一戦とする。(伊藤 明日香)

  〇…エース左腕の高部は、「初戦の時よりもどんどん調子が上がってきている」と状態の良さを感じている。2回戦の相手である西日本短大付は、今年のセンバツで3本塁打、夏の初戦でも1発が出ており、長打力のある強力打線だ。「振りが強く、さまざまな球にも対応してくると思いますが、その中でも相手も隙があるはず。そこを見極めて投げ込みたい」と気合を込める。初戦は万全ではなく、変化球が多くなったが、それでも1失点。上り調子での試合で再度好投を目指す。

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