◆第107回全国高校野球選手権大会第8日 ▽2回戦 関東第一6―1中越(13日・甲子園)
関東第一(東東京)はエース左腕・坂本慎太郎(3年)が中越(新潟)に1失点完投で初戦を突破した。
坂本の133球目、こん身の直球だ。
昨夏の忘れ物を拾いにきた。24年夏の甲子園、京都国際との決勝、1点ビハインドの10回2死満塁。左翼手でフル出場した坂本は空振り三振で、最後の打者となった。相手投手は、同学年の西村だった。
昨夏は背番号「7」、東東京大会は「8」、そして「1」を背負い聖地に戻ってきた。目の当たりにしたのは、第1試合で力投する西村の姿だった。センバツ4強・健大高崎を相手に160球3失点完投。「自分も応えなきゃと思った」。7回打席で右すねに自打球を当てた。痛みはあったが「最後まで行きたい」と米沢貴光監督(49)に直訴。6回以降は安打を許さず投げきった。
家族の思いも背負い、最高の夏にする。
京都国際との再戦は、準々決勝以降の抽選次第。坂本は激しい対抗心を燃やしている。「絶対に対戦したい。西村から全打席打って、全打席三振をとる」。目標はもちろん、昨夏届かなかった日本一だ。(古澤 慎也)
◆再戦は準々決勝以降 京都国際と関東第一の再戦は、早くても準々決勝以降になる。準々決勝以降は再抽選となるが、それまで両校は勝ち抜けるか。
◆坂本 慎太郎(さかもと・しんたろう)2007年5月1日、千葉県生まれ。