◆報知新聞社主催◇第19回全日本中学野球選手権大会ジャイアンツカップ ▽準々決勝 旭川大雪ボーイズ2-1兵庫伊丹ヤング(14日・ジャイアンツタウンスタジアム)
9年ぶり3度目出場の旭川大雪ボーイズがサヨナラ勝ちで、道勢としては2022年の新琴似リトルシニア以来3年ぶりの4強入りを決めた。チーム初の全国ベスト4を狙った準々決勝で兵庫伊丹ヤングを2―1で撃破した。
真夏の東京で“大雪旋風”だ。気温35度の猛暑でも、ナインは勝負どころを見逃さなかった。7回2死一、二塁。大波が初球のスライダーを振り抜くと、打球は右前へ転がった。代走の二塁ランナー・清水野偉千(しみずの・いち)外野手(3年)が一気にホームへ向かい、相手捕手が後逸して、滑り込んだ。「初球から打つつもりだった。芯にしっかり当たったので、これはいったなと」。サヨナラ勝利を呼び込む一撃にヒーローが声を弾ませ、チームは初の全国大会ベスト4進出を決めた。
2回に6番・荻子理人外野手(3年)の二塁適時打で先制したが、その後は相手投手陣を打ち崩せなかった。
就任11年目でチーム目標の4強入りを実現した西大條敏志(にしおおえだ・さとし)監督(58)は「近所の子が集まってやっているチーム。ここ(全国)でやれるだけでも光栄です。選手たちがよくやってくれた」と感慨深げだ。初の準決勝へ向けて気負いはなく15日は完全休養に充てる。
対戦相手の多摩川ボーイズは優勝候補の強豪。準々決勝を17―1で勝ち抜いてきた。相手にとって不足はない。勝利の立役者・大波は「ここまで来たら優勝しかない」と力を込めた。
〇…旭川大雪の山脇瑛翔主将(3年)が対戦相手の気持ちを受け継ぐ必勝を誓った。勝利の瞬間はナインとともに喜びを爆発させたが、泣き続ける兵庫伊丹との試合後あいさつでは神妙な面持ちに。千羽鶴を受け取り「必ず優勝してください」と託されたキャプテンは涙をこらえられず、うわずった声で「負けた人の気持ちもしっかり考えて戦います」と気持ちを込めた。
◇ジャイアンツカップ リトルシニア、ボーイズ、ポニー、ヤング、フレッシュなど中学硬式の全国主要リーグが参加し、真の日本一を争う大会。1994年に巨人軍創立60周年を記念して創設され、2007年から日本選手権へ格上げされ、現行方式の大会となった。今年は北海道など9地域25地区で予選を行い、勝ち上がった32チームが出場した。
旭川大雪は17日にエスコンフィールド北海道で開催される「ファイターズ・チャンピオンシップU15」に出場する予定だったが、ジャイアンツカップ4強進出による過密日程を考慮し、出場を辞退することになった。同大会は中学硬式野球の北海道ナンバーワンを懸け、ボーイズ、リトルシニア、ポニーの各リーグの代表4チームがトーナメント戦で争う。旭川大雪は1回戦で苫小牧リトルシニアと対戦する予定だった。