◆米大リーグ オリオールズ5―3マリナーズ(14日、米メリーランド州ボルティモア=オリオールパーク)

 オリオールズの菅野智之投手(35)が14日(日本時間15日)、本拠地・マリナーズ戦で5回1/3を投げ、3安打1失点。今季10勝目を挙げ、メジャー1年目として日本人投手史上10人目となる2桁勝利を達成した。

試合は5―0で迎えた6回1死一塁の場面で、激しい雨のために2時間18分中断。試合後、マンソリーニ監督代行は前が見えない土砂降りの雨の中、冷静にプレートを外しながら、審判の再判断を仰いだベテラン右腕の機転を絶賛した。

 視界を遮る大雨にも、動かない審判団。どんどん不利な状況となる中で、ベテランは冷静だった。「投げたらどこにボールが行くかわからなかった。ロジンバッグは(ぬれないように)ポケットに入っていたけど、触っても意味がないぐらい雨が降って、ピッチコムも水没みたいに何も聞こえなくなった。2回まで(プレートを)外せるので、目いっぱい、雨が弱くなるまで時間を取ろうかなと思っていた」

 あえてピッチクロック違反を取られても、引き伸ばした菅野の様子に、ベンチから出てきたマンソリーニ監督代行が審判団と協議。ようやく試合は中断となった。

 「投手が2度(プレートを)外すくらいひどい雨になった以上、我々には説明する義務があった。なかなか進展しなかったが、幸運にも次の球を投げる前に、調整してくれて良かった。菅野がベテランらしくうまく対処してくれた」と同監督代行は、菅野の好判断に感謝。「球速があり、制球も良かった。

もう少し投げてほしいと思っていたが、あの雨は非情だった。奇妙なことに、今年、彼が雨の試合で投げることが多いね」と好投をねぎらった。

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