◆第107回全国高校野球選手権大会第10日 ▽2回戦 東洋大姫路8-4花巻東(15日・甲子園)

 止めどなく涙があふれた。2回戦敗退に花巻東(岩手)の4番・古城大翔内野手(2年)はインタビュールームで号泣した。

開口一番、言葉に出たのは3年生への感謝の思いだった。

 「この3年生と一緒に野球をやるのが楽しかった。絶対に自分の力で、3年生と一瞬でも長く試合をしたいという思いで臨んだんですが、勝ちきれなくて悔しいです」

 意地は見せた。2回先頭では遊撃内野安打。8回にも左前安打で好機を演出した。「レベルの高い投手と対戦させていただき、自分のヒットでチャンスを作れたのは良かったんですが、点に絡めなかったのは悔しさが残っています」。真っ黒なユニホームは全力プレーの証しだった。

 今後は最上級生としてチームを先導することになる。「甲子園という舞台でレベルの高い相手と2回も戦えたことは自信になった。『来年も絶対に戻ってくるんだ』という思いで秋から、イチからやり直していきたい」。「自分はこの代で一番貴重な経験をさせていただいている。この経験を生かして、秋にもう一度全員で、こんな素晴らしい3年生みたいになれるように、自分が先頭に立って頑張っていきたい」

 上級生たちから継承した花巻東の誇り。

全身で受け止め、新チームで表現していく。(加藤 弘士)

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