中日の中田翔内野手(36)が15日、バンテリンDで会見に臨み、今季限りでの現役引退を表明した。

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 唯一無二の選手だった。

いかつい風ぼうと醸し出すオーラに最初は圧倒されたが、裏表のない人間味あふれる姿に接するにつれ、いつの間にか魅了されていた。調子の上がらない時に話を聞きにいくと「冷やかしか?」と言いながらも偽りない心境を明かしてくれたり、保有する国内FA権を巡って去就に注目が集まった17年オフには、連日の取材も「記者も大変やな」と言いながら丁寧に対応してくれた姿が印象に残る。

 そして、日本ハム担当時代、22年の巨人担当時代も含め、取材中に聞いた言葉は群を抜いて面白かった。日本ハム時代に絶好調だった時に「レベチ(レベルが違う)」との名言を残していたことから、巨人でも同様の“パワーワード”を期待していると「自信しかない」と返ってきた。理由は「レベチで流行語を取れなかったからもう一生言わない」「ジャイアンツの選手っぽく、きれいな言葉にまとめてみた」とのことで、思わず笑ってしまった。豪快なアーチは言うまでもなく、その存在感で魅了する本物のスターだった。(14~17、21年日本ハム担当、22年巨人担当・後藤 亮太)

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