◆JERA セ・リーグ 巨人6―5阪神(15日・東京ドーム)

 この東京ドームでは何が起こるか分からない。現役の頃から感じていた。

一発が出やすいから一気にビッグイニングもつくれる。7月21日の同カードがいい例で、5回までの5点差を終盤だけでひっくり返した。この試合も似ていた。4回に4失点も6回の代打・坂本の3ランで試合が動いた。となれば、本拠地で主役が勢いづけたのだから、巨人に流れは傾いていく。

 岡本が帰ってくるタイミングで、勇人にも当たりが戻った。6回の一撃は完璧。カウント1―3から低めカットボールを空振り。ここでしっかり振ったことで、力みや軌道を修正し、コンタクト率を上げることができたと思う。直後の同じ球種、コースを左中間席に放り込んだのは必然だった。同点の8回にも左前へ落としてチャンスを広げた。ボールへの入り方もいいし、最近の中では一番いい状態に見える。

 いい勝ち方で4番を迎えられる。巨人のお家芸とも言える一発攻勢で劣勢をはね返し、さらに岡本復帰。今度こそ勢いに乗れるだろう。坂本を三塁で起用するなら、和真を一塁かレフトの手もある。さらに打線を強化できるはずだ。阪神にとってもショックの大きい逆転負け。まだゲーム差は離れているが、何が起こるか分からない。そんな気はした。(スポーツ報知評論家・高橋 由伸)

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