◆JERA セ・リーグ 巨人6―5阪神(15日・東京ドーム)

 値千金の一撃を見舞った。打球が右翼席へ着弾すると、中山は右人さし指を立てて喜びを表現した。

2点を追う7回無死一塁。代打で登場すると、カウント1―2から3番手・ハートウィグの内角低めスライダーを完璧に仕留めた。自身初の代打弾となる同点3号2ラン。お立ち台では「同点本塁打で僕が立っていいのかなって思いはあるんですけど、勝ててうれしい」と、はにかみながら言葉を紡いだ。

 1イニング前の6回には、坂本が代打3ランで反撃ののろしを上げていた。「ああいう1打席で結果を残すのは本当にさすがだなと思って見てました。やっぱり勇人さんが打つとすごく盛り上がりますし、いい流れをつくってくださったので感謝しています」。自身は2球で追い込まれる形になったが、「何とか食らいつこうと、いい形で次につなぎたい」という一心で先輩と同じくG党を大きく沸かせる結果を手繰り寄せた。

 阿部監督は「最高の結果。それで勝ったようなものなので。素晴らしいホームランでした」と賛辞の言葉を贈り、「2軍の頃から見ているけど、練習量は誰にも負けないくらいしていると思う。それがああいう結果になっているんじゃないですかね」と目尻を下げた。

最大4点差をひっくり返すこの日の逆転勝ちを語るには不可欠な、若武者のアーチだった。(田中 哲)

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