◆JERA セ・リーグ 巨人―阪神(16日・東京ドーム)

 巨人、ヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏=ヤンキースGM付特別アドバイザー=が16日、「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」の阪神戦(東京D)で始球式を務めた。

 背番「3」のユニホームを着用して、長嶋さんとの多くの思い出が詰まった東京Dのマウンドに上がった松井氏。

投球の前には天井を見上げて「監督、投げますね」と心の中でつぶやいて球を頭上に掲げた。左打席に王貞治氏、右打席に原辰徳氏が立つ中、球審を務めた高橋由伸氏の合図で、阿部監督が構えたミットをめがけて球を投げ込みノーバウンド投球。大役を終えた後は再び、天に向かって手を振った。

 投球後は、「ホッとした感じです。両打席に大レジェンドがおられましたので。久しぶりにビビりましたけれど、良かったです。監督が見守ってくれたんじゃないですか」と笑顔で振り返った。

 恩師の追悼試合が開催されたことに関しては「監督が一番。喜んでいると思います。やはり常にファンの皆様に気持ちが向いている方だったので、ファンの方がこういう形で、喜んでくださるのも一番、監督自身が喜んでいると思います。それだけ大きな、すごく大きな存在だったのではないかなと思います。私は現役時代、同じ時代は生きていないので、その時代のことは分かりかねますけど、皆さんのいろいろな話を聞くと野球の枠を超えた大きな存在だったのではないかなと思います」と語った。

 巨人は試合前の時点で、首位阪神から11ゲーム差の2位。「今の現役の選手は長嶋さんの現役時代、また監督時代を肌で感じていないと思います。この機会でまた、より一層どれだけ大きな存在だったかということを選手自身が感じて今日はプレーしてほしいなと。なおかついいプレー、いい結果を届けて欲しいなと。特に今日に関しては思います。数字的にはもうかなり厳しい状況であることは間違いないですけど。優勝、ペナントを取れなくても、去年の逆バージョンをやっていただければいいのではと思います。それを期待しています。優勝できなくても」とポストシーズンでの下克上を期待した。

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