◆JERAセ・リーグ 巨人0―3阪神(16日・東京ドーム)

 阪神・村上頌樹投手(27)が東京Dのマウンドに仁王立ちした。長嶋茂雄さんの追悼試合という特別な日に、被安打わずか2で自身初の巨人戦完封勝利。

「長嶋さんの試合だったので、いい試合にしたいと思いながら投げた」。今季最多タイの9奪三振と圧倒し、2年ぶり2度目のシーズン10勝目をマークした。

 「岡本さんがいるから気合が入る」。復帰した智弁学園時代の2学年先輩には1四球こそ与えたものの、2打数無安打。最速151キロの直球で押し込み、二塁すら踏ませなかった。巨人戦は通算7試合で4勝0敗。計50イニングで自責点3、17イニング連続無失点と無双している。この日は「久々に森下君が打った(笑)」と、初回の後輩の先制2ランにも助けられた。

 成長の要因は10勝、防御率1・75で新人王とMVPをダブル受賞した23年に原点回帰したこと。左足が地面に着くタイミングを見直したことで上半身と下半身の連動性が高まり、「試合終盤になっても疲労感があまりない」と自分を取り戻した。新球スライダーで配球の幅も大きく広がった。

 11日の広島戦(マツダ)の雨天中止を受け、藤川監督は13日の同戦に先発予定だった“Gキラー”の予定を変えた。

「長嶋さんは父親も大好きで、自分にとっても。本当に大切なゲームをタイガースの監督としてやらせていただけて、感謝したい一日になった」と指揮官。首位独走のチームは今季25度目の完封勝利で球団最多タイの東京Dシーズン8勝目を記録し、優勝マジックを2減の24とした。(中野 雄太)

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