◆米大リーグ ドジャース3―2パドレス(15日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)
ドジャース・大谷翔平投手(31)が本拠地・パドレス戦で「1番・DH」でフル出場し、3打数ノーヒットで連続試合安打は今季最長「12」で止まったが、「全集中」の同点打で21年から5年連続80打点に到達した。大人気アニメ「鬼滅の刃」のコラボキャップ配布日に、“柱級”の活躍を見せ、宿敵との首位攻防戦の先勝に貢献。
大谷が執念で価値ある1点をもぎ取った。0―1で迎えた3回無死満塁。カウント2―2と追い込まれると、一度タイムを要求し、“呼吸”を整えた。三振だけは避けたい状況。集中し直すと、パ軍右腕バスケスの外角ボール球に目いっぱい腕を伸ばし、打球を何とか前へ。力ない二ゴロとなったが、全力疾走で併殺崩れ。値千金の同点打で、5年連続80打点に到達した。
ド軍が誇る“柱”のMVPトリオがもり立てた。大谷の同点打直後には、ベッツの中犠飛で勝ち越しに成功。守備では一塁・フリーマンが堅守でバックアップした。宿敵との直接対決初戦を制し、わずか2日で再び同率首位に浮上。
この日は、大人気アニメ「鬼滅の刃」とのコラボキャップ配布日。試合開始5時間前から長蛇の列が伸びる人気ぶりで、主人公「炭治郎」の着ぐるみも登場した。今年3月の東京シリーズの際に公開されたコラボアニメでは、大谷が「打撃の呼吸、壱ノ型、圧倒的ホームラン」と特大弾を放つ姿が描かれたが、この日は直近7戦5発と量産していた必殺技は温存。だがチームへの献身的な姿勢はまさに「柱」そのものだった。
パ軍との最終6戦を含む今季最長13連戦。地区優勝の行方を左右する重要な首位攻防戦で、好スタートを切った。8月初の無安打で、今季最長12試合連続安打は途切れたが、昨年のWS開幕直前には「勝ったか負けたかで全て決まる」と話していた大谷。球団史上初のWS連覇へ、「全集中」で駆け抜ける。(竹内 夏紀)
◆鬼滅の刃 家族を鬼に殺された主人公の竈門炭治郎(かまど・たんじろう)が、鬼と化した妹の禰豆子(ねずこ)を人間に戻すため壮絶な戦いに挑む物語。主人公が入隊した鬼狩りの組織「鬼殺隊」は能力別に10階級ある。