◆第20回全日本女子硬式クラブ野球選手権最終日 ▽決勝 ZENKO BEAMS5―4東海NEXUS(16日、千葉・長嶋茂雄記念岩名球場)

 埼玉の企業チーム・ZENKO BEAMSが東海NEXUS(愛知)を逆転で破り、8年ぶり2度目の女子クラブチームの頂点に立った。

 NPB傘下チームがいずれも3回戦までに敗退する波乱の大会を制したのは、安定した投手陣とミス無く接戦を勝ち上がったZENKOだった。

この日の決勝は3回までに2点を失ったが、4回に反撃。連打を足がかりに1死満塁の好機を作ると、太田栞と坂口英里が連続適時打。さらに捕逸や連続スクイズで5点と大きくリードした。最終回に東海NEXUSが1点差まで追い上げたが、日本代表左腕の泰美勝が反撃を抑えると、ナインはマウンドで抱き合って喜んだ。

 泰は3回戦の阪神タイガースWomen、準決勝のエイジェック戦など重要な場面で抑えとしてこの大会計10回1/3を2失点と活躍し、大会MVPに。「手強い相手ばかりでしたが、自分の投球ができた。いつもは緊張しないのですが、最後は緊張しちゃいました。この大会で自信が付いたので、(10月の)全日本やリーグ戦につながれば」と笑顔。神村学園の1年先輩で主将の坂口は「高校時代から良く知る(泰)美勝と最後を締められたのはよかった。今日はチャンスに回ってきたのでここで決めるしか無いと思った。試合を重ねるごとにみんなの成長が自分の刺激にもなった」とナインに感謝した。

 日本代表の監督も努める中島梨紗監督は、W杯やアジア杯を制覇しているが、日本一は初めて。

「代表選手と違って、選手をどう力を出させるかを親のように考えてきたので、日本一めちゃくちゃうれしいです。阪神戦で2度のピンチを乗り越えタイブレークを制したことがターニングポイント。それまで勝負弱かったチームが、まさかこの大会でここぞの時に力を出せるとは。想像以上の成長を遂げてくれました」と選手をたたえ、胴上げされた。

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