◆JERAセ・リーグ 中日0―6DeNA(16日・バンテリンドーム)

 ほえた。プロ初先発したDeNAのドラフト1位・竹田祐投手(26)は、7回無死一塁、細川を148キロ直球で空振り三振に斬り、腹の底から叫んだ。

7回2安打無失点。球団のドラフト1位では06年の山口以来、19年ぶりの初登板勝利を挙げ「やるべきことができたので、100点だったと思います」と笑った。

 先発予定のケイが腰の違和感で登板を回避。緊急先発で大仕事をやってのけた。前日15日の午後4時半に、2軍マネジャーから急きょ昇格を伝えられ、午後11時過ぎに名古屋入り。最速150キロの直球にスライダー、カーブなどを織り交ぜ6奪三振。2回以降は二塁を踏ませなかった。

 徹底した行動が快投を呼んだのかもしれない。明大の1学年先輩に当たり、竹田と同部屋で2段ベッドの下で寝ていた入江は「キレイ好き」と、ルーキーのきちょうめんな一面を明かす。遠征バッグの中は、用意した仕切り板で完璧に整理整頓。明大では、なぜか竹田のロッカーだけ「いいにおいがした」という。普段の行いが奏功してか、緊急先発でもキレイにゼロを並べてみせた。

 大学、社会人で2度の指名漏れを経験し、3度目の挑戦でプロ入りした苦労人が、ようやく念願のウィニングボールを手にした。「いいピッチングの後が大事」。頭の中もキレイに整理して、次戦に向かう。(太田 和樹)

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