◆米大リーグ ドジャース6―0パドレス(16日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)
ドジャース・大谷翔平投手(31)が、5日ぶりのナ・リーグ西地区単独首位浮上に貢献した。16日(日本時間17日)の本拠地・パドレス戦に「1番・DH」で出場し、2打数1安打2四球で2得点。
2年連続MVPを徹底マークする右腕シースを、大谷の冷静さが乱した。3点リードの2回1死。カウント2―2から頭部付近のボール球にのけぞり、思わず「ヘイ!」と絶叫。だが怒る気配もなく、直後に2打席連続四球を選ぶと、3得点を奪った初回と同様に、大谷を起点に2点を追加した。
大谷の出塁から序盤2回で計5得点と主導権を握り、首位攻防戦で連勝を飾った。ロバーツ監督は「明らかにシースは翔平に打たれまいとしていた。無理をせずに後ろにつなぐことでイニングを組み立て、打線が焦らずにいられた」と勝利の立役者として称賛。カード勝ち越しを決め、5日ぶりの単独首位に返り咲いた。
パ軍戦では、エンゼルス時代も含めて打率2割2分4厘と抑えられていたが、大事な一戦で1安打2四球2得点。
勝利を最優先する姿勢を貫いている。3年連続本塁打王を狙う大谷は、リーグトップタイの43本塁打。フィリーズ・シュワバーとデッドヒートを繰り広げる中、フォア・ザ・チームに徹し、宿敵との天王山で価値ある2四球を選んだ。23年オフのド軍入団会見時では「勝つことが僕にとって、一番大事なこと」と決意表明。打ちたい気持ちを抑え、自分の役割を全うしている。
3戦目のパ軍先発はダルビッシュ。今季最長13連戦で連勝発進を決めた指揮官は「無駄な四球を減らし、四球を選び、走塁死を避け、必要な場面でアウトを取るいい野球ができている。ダルビッシュはよく知っているし、こちらもエース(グラスノー)。勝負を決める良い機会だ」とスイープを見据えた。(竹内 夏紀)