第107回全国高校野球選手権は、19日に準々決勝4試合が行われる。休養日にあてられた18日、8強進出の各校は、それぞれに調整を行った。

甲子園15年ぶりの「東京対決」に臨む関東第一(東東京)の二刀流エース・坂本慎太郎(3年)は「東京のテッペンを取ってから、甲子園のテッペンを取りたい」と対抗心をあらわにした。

 “忘れ物”を取りに帰るため、負けるわけにはいかない。関東第一・坂本は日大三との準々決勝を前に、闘志をむき出しにした。「真の東京チャンピオンを決める戦い。東京のテッペンを取ってから、甲子園のテッペンを取りたい」。15年ぶりの聖地での東京対決へ、気合をみなぎらせた。

 準優勝に終わった昨夏、坂本は延長10回2死満塁で空振り三振を喫し、最後の打者となった。試合後、同学年の現主将・越後駿祐と約束を交わした。「2人でチームを引っ張って、もう一回甲子園に行こう」。今大会のベンチ入り選手で昨夏も主力だったのは2人だけ。「自分たちが一番甲子園を知ってると思う。越後は言葉で、自分はプレーで引っ張るという気持ちでやってきた」と坂本は明かす。

 心強いサポートがある。同校でトレーナーを務める石崎学氏は、かつて坂本が所属した茨城・取手シニアの監督。最近は「あごが上がって球が浮ついてしまうので、お尻からの並進運動を意識した」と一緒に投球フォームを微修正。甲子園で2戦計13回を投げ、防御率0・69の好投につなげた。

 15年前の2010年、早実(西東京)との対戦でも勝利に導いた米沢貴光監督(50)は「あの時はお互い楽しそうだったので、今回も楽しんでくれれば。去年の借りがあるので、そこ(決勝)まで行けるように」とのびのびプレーで突破をもくろむ。どこで激突しようと譲れない。それがダービーだ。(大中 彩未)

編集部おすすめ