◆第107回全国高校野球選手権大会第12日 ▽3回戦 横浜5―0津田学園(17日・甲子園)
今春センバツ王者の横浜(神奈川)が津田学園(三重)に5―0で勝利し、2008年以来17年ぶりに8強入りした。最速152キロの2年生右腕・織田翔希は、食あたりで万全ではない中、先発を志願して5安打完封。
2年前の8月。横浜・村田監督の精神状態はどん底にあった。夏の神奈川大会決勝・慶応戦では2点リードの9回、3ランを被弾。逆転負けで甲子園行きを逃した。心身を整えるため、家族で九州へ旅行した。
すると福岡で中学教師を務める日体大の先輩から、こんな連絡があった。「織田という好投手が北九州にいるんだ。進路は決まっていない。視察に来ないか」
織田がプレーする足立中軟式野球部は部員13人。
もしあの夏、慶応に勝って甲子園に出ていたら―。「織田とは出会っていません。何かの縁ですよね」と村田監督。運命で結ばれた師弟の物語は、さらに続いていく。(加藤 弘士)