◆第107回全国高校野球選手権大会第13日 ▽準々決勝 沖縄尚学2―1東洋大姫路(19日・甲子園)
名将へ成長した姿を見せた。3回先頭、東洋大姫路の桑原大礼捕手(3年)は「カウント的に真っすぐだと思った。
忘れられない言葉がある。「この言葉があったおかげで、ここまで来られた」。2年春、岡田龍生監督に「お前のせいで負けた」と指摘された。明石商との3位決定戦で1―2で敗れた。「チャンスの場面でファウルフライ。自分が打てず負けた」と記憶は鮮明だ。入学後から正捕手を務めた桑原。その期待からか、岡田監督は厳しい言葉をかけ続けた。「特に配球面。それでも使い続けてくれて。
エース・木下鷹大(3年)とのバッテリーは試合を重ねるごとに成長を遂げた。内角への強気な直球。2人の息はぴったりだった。試合後、「ここまで来られたのはバッテリーのおかげ」と指揮官も頬を緩めた。
桑原は2年半を振り返り、「少しは岡田監督の理想のキャッチャーに近づけたかな」と白い歯を見せた。小、中学校で主将を務めたものの、全く叱れなかった優しい男。「大学でも積極的にアピールして1年から出たい」。陰の立役者が飛躍を誓った。