◆パ・リーグ 日本ハム8―3ソフトバンク(23日・エスコンフィールド)

 2位・日本ハムが首位・ソフトバンクとの天王山に連勝し、2日連続でマジック点灯を阻止し、ゲーム差を1・5に縮めた。6回から2番手で登板した二刀流ドラ1・柴田獅子(れお)投手(19)=福岡大大濠=は新庄剛志監督(53)の大抜てきに応え、自己最速タイの154キロをマークするなど2回2/3を1失点でプロ初ホールドをマークした。

貯金は今季最多の25。逆転優勝へ勢いづく1勝だ。

 浮き上がるような直球が次々とミットに収まった。柴田は、5―2の6回からプロ2度目のマウンドに上がった。先頭の山川への2球目は自己最速タイの154キロをマーク。最後は外角のスライダーで投ゴロと、本塁打王4度の大砲を完全に手玉に取った。「小学校から見ていた選手と対戦できてプロ野球に入れて良かった」。初の中継ぎで2回2/3を投げ4安打1失点。プロ初ホールドで、2日続けてのソフトバンクのマジック点灯阻止に貢献。初々しい笑顔を見せた。

 実りの37球だった。6回、7回は打者6人で抑えたが、2巡目に入った8回は近藤、山川、牧原大に3連打。

「一流の選手はレベルがケタ違い」と、ベストナイン5度の近藤には152キロの直球を完璧にセンター前にはじき返された。「笑けてくる。こんなに通用しないんだ。逆に打たれて良かった。バットが軽そうで僕もああいうバッティングがしたい」。二刀流ならではの発見もあった。

 新庄監督は天王山で大抜てきした理由を説明した。「僕と小久保監督がドラフト会議で柴田くんの人生を決めた。僕が引き当てて、ソフトバンク戦で1年目に投げさせることに意味があると思った」。昨年10月のドラフト会議で、2球団競合の末に自らがくじを引き当てた。どうしても昨季王者にぶつけたかった。「この経験は19歳の今しかできない。

フロントの決まりもあると思うけど強引にいかせてもらった」。それでも緊迫の展開に「心臓が6センチくらい出ていた」と笑った。今後はいったん抹消も1軍に帯同し、中継ぎとしてスタンバイさせる。

 24日の第3ラウンドは、伊藤とモイネロのエース対決。「2つ取ったら3ついきたい。あしたは2―1(1―2)のどっちかでしょ」と指揮官はスコアを大予言。勢いに乗り、スイープをもくろんだ。(川上 晴輝)

 ◆柴田 獅子(しばた・れお)2006年4月18日、福岡・飯塚市生まれ。19歳。庄内小2年から野球を始め、庄内中では飯塚レパーズに所属。福岡大大濠では1年夏からベンチ入りし2年秋からエース。高3夏の県大会決勝では西日本短大付に2―5で敗れ、甲子園出場なし。

高校通算19本塁打。24年ドラフト1位で日本ハム入団。最速は154キロ。憧れの選手はドジャース・大谷翔平。ニックネームは「レオ」。187センチ、87キロ。右投左打。年俸880万円。

編集部おすすめ