◆秋季大会静岡県予選代表決定戦 常葉大菊川4x―3袋井(23日、浜岡球場)

 代表決定戦が行われ、県大会に出場する21校が決定した。2年連続のセンバツを目指す夏16強の常葉大菊川は初戦で袋井を4―3で下し、4年連続の県大会切符を獲得した。

春甲子園以来の背番号1をつける佐藤大介投手(2年)が9回3失点の粘投も、同点の9回1死満塁で、中前へサヨナラ打を放って劇的な勝利をもたらした。

 常葉大菊川の佐藤が、挽回の一打で試合を決めた。同点の9回1死三塁から、2者連続の申告敬遠で満塁となり、打席が回った。「自分が試合で足を引っ張っていたので、取り返そうと思った」。高めのスライダーを中前にはじき返すサヨナラ打。劇的な勝利にも、整列に加わる左腕に笑顔はなかった。「喜びたいんですけど、(投手としては)結果が出せなかったことで、素直に喜べない自分がいました」と、4年連続の県大会出場切符をつかみながらも、エースは冷静だった。

 背番号1でマウンドに上がったのは今年のセンバツ以来。初回に投ゴロを一塁へ悪送球し、1死二塁から、先制打を浴びるなど9回を投げ6安打、3失点。「初戦で勝たないといけない思いが強かった」。思いが強い分、重圧があった。

 石岡諒哉監督(36)は、初回から2イニング連続で併殺に倒れた野手陣を含め「勝ったけれども、選手がどう思うか」と苦言。

新チーム公式戦初陣とあって硬さも見られ、「人が変わったようだった。大介もずっと自信なさそうだった」と試合後に反省を促した。

 夏の県大会で130キロ中盤だった球速は142キロまでアップ。経験値も増えたが、さらなる成長の先に大舞台が待っている。今秋からバッテリーを組むのは1年生の後藤歩武捕手。「配球や声で引っ張らなければいけなかったが、今日は全然できなかった」。チームの総合力アップも課題だ。「自分としては技術どうこうより、精神的に弱い。練習して自信を付けていくしかない」と力を込めた。東海地区のセンバツ出場枠は3つ。2年連続の甲子園のマウンドへ。進化を続けるつもりだ。

(伊藤 明日香)

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