◆JERAセ・リーグ ヤクルト1―8阪神(24日・神宮)

 佐藤輝が9試合ぶりの本塁打を含む2安打を放ったが「復調した」とは言い切れない。4回の右越え32号ソロはストレートのタイミングで振りに行って、初球の甘いスライダーを出合い頭で捉えた。

8回の右前適時打も高く浮いた甘い変化球を仕留めたものだった。気持ち的には楽になったはずだが、まだ技術的には気になる点がある。

 厳しいインコース攻めも影響してか「かかと体重」になっており、外の変化球にバットが届きにくくなっている。右足を踏み込んだ際の蹴り返しもないため、体が前に流れて、ストレートには差し込まれてしまう。崩れた打撃フォームを修正するには、キャンプから取り組んできた逆方向に打ち返す打撃をもう一度思い出すべきだ。

 8月後半で体力的にも厳しい時期だが、ここを乗り越えた先に40本の大台が見えてくる。残り29試合で17試合が甲子園でのゲーム。秋になると風向きが変わるとはいえ、なおさら広角に打つ意識がないと本数は伸びてこない。(掛布 雅之)

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