◆米大リーグ オリオールズ3―4レッドソックス(25日、米メリーランド州ボルティモア=オリオールパーク)

 オリオールズの菅野智之投手(35)が25日(日本時間26日)、本拠地・レッドソックス戦で6回を投げ、2被本塁打を含む6安打4失点。7月2日(同3日)以来8試合ぶりとなる黒星が付き、今季6敗目を喫した。

防御率は4・06となった。渡米後初の2試合連続同一カードの登板となった菅野は、レ軍・吉田正尚外野手(32)との対戦でこの日の最速94・5マイル(約152キロ)をマークし、6三振を奪うなど内容は力強かったが、5回にデュランに許した逆転3ランが痛かった。3―4で迎えた6回を投げ終えて球数87球で降板。吉田との日本人対決は2打数1安打1四球だった。この日先発マスクをかぶった21歳のバサロとの“ルーキーコンビ”は球団広報によると、球団新人バッテリー史上最大「14歳」の年齢差となった。

 菅野は独特の視点で勝負のアヤを振り返った。

 「前の試合をいかした上で配球すれば良かったという反省点はあります。打たれたことに対してはしょうがない。投げたロケーションに関して悔いはない。ただ、前の打席(ストレートの四球)で何か意識付けさせられたんじゃないか。そうしたら、あのボールでも結果が変わったんじゃないかというふうに。(投球が)線になっていなかった」

 3―1で迎えた5回1死一、二塁。

デュランに逆転3ランを浴びた。渡米後初の2試合連続同一カードの登板。6日前に2打席対戦し、ともにスプリットで打ち取った相手に、この日はスプリットをバックスクリーンに運ばれた。この日は初回にアンソニーに先頭打者本塁打を献上。今季メジャー全体で6位となる106打者連続で本塁打ゼロとしていた菅野にとって、5試合ぶりの被弾だった。「前回対戦では、近めのボールを使えなかった。それで相手が踏み込んできてホームランになったと思う」と、中5日の再戦の難しさをかみ締めた。

 それでも「ボール自体は多分(前回より)今日の方が良かった」。マンソリーニ監督代行も「あの1球はミスとも言えない。今日のトモ(菅野)は非常に良かった」と内容を評価した。54日ぶりの黒星は付いたが、3回は味方守備の乱れ(記録は遊撃強襲の二塁打)で無死二塁から後続を断ち切り、6奪三振を奪った内容は力強かった。

 実は、オリオールズの球団新記録も“樹立”した。

この日、先発マスクをかぶったのは、デビューから5日後に8年総額6700万ドル(約98億円)で契約延長した有望新人捕手のバサロ。“ルーキーバッテリー”の年齢差は「14」。球団広報によると、これは新人同士のバッテリーでは球団史上最大年齢差だという。

 「昨日からいろいろ話し合いを重ねて、彼も一生懸命やってくれたと思う。正直、まだまだ経験は浅くて、どうしたらいいか分からないことばかりじゃないかと思うんですけど、その中でベストを尽くしてくれた。彼も必死に頑張っているし、僕も一応プロの世界で長くやってきてるので、何か伝えられるものがあればうれしいです。残り試合で組む機会がある思うので、また協力してやっていければと思います」。21歳12日になったメジャー最年少選手に、35歳318日を迎えたオールドルーキーが寄り添った。

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