◆米大リーグ ドジャース7―0レッズ(25日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)
ドジャース・大谷翔平投手(31)が25日(日本時間26日)、世界的人気の韓国アイドルグループ「BTS」のV(29)が始球式を務めた本拠地・レッズ戦に「1番・DH」で先発出場したが、3打数ノーヒットに終わった。それでもチームは3発7得点の「ダイナマイト打線」で快勝。
世界的スターを、立ち上がらせた。5点リードの7回1死。ベッツが左翼席へこの日チーム3本目となるダメ押しソロを放つと、本拠地がライブ会場ばりの大熱狂に包まれた。始球式を務め、ベンチ横で試合を観戦した「BTS」のVも大興奮。チームは3発7得点、2戦で計7発の強力打線で快勝を飾り、4日ぶりに単独首位に返り咲いた。
BTSの人気曲「ダイナマイト」の歌詞には「I’m diamond,you know I glow up」(僕はダイヤモンド、僕が輝いているのは知ってるでしょ)という一節がある。そのメロディーに乗って9安打を放った打線をロバーツ監督も「今夜の戦い方はとてもワクワクした」とたたえた。
大谷は3打数無安打。昨季加入したドジャースで通算100本目となる“V弾”はお預けとなったが、指揮官の絶賛の嵐は止まらない。「守備も全員が集中していたし、打線も1番から9番まで素晴らしい内容だった。正直、この数か月で最も完成度の高い試合の一つだった」と目を細めた。
異次元の人気者が“夢の共演”を果たした。世界的人気グループのBTS。中でもVは「世界で最も影響力のあるインフルエンサー」にも選ばれ、インスタグラムのフォロワー数は、大谷の976・6万人の約7倍にあたる約6926万人。ただ試合前練習中のベンチに大谷がサプライズで現れると、そんなスターでさえも驚きと喜びを隠せなかった。報道陣も殺到して、警備も厳戒態勢の中、笑顔でガッチリと握手とハグを交わし、しばしの交流を満喫した。
チームの地区優勝マジックは29に減り、「Vロード」まっしぐらだ。大谷は直近4戦で1安打とややお疲れ気味だが、すぐにV字回復できるのも強みだ。8月上旬には「ここからもっともっと大事な試合が増えてくるので、全員で頑張りたい」と語っていた背番号17。始球式後、笑顔でピースサインを見せたVのように、最高の笑顔で今季を締めくくる。(竹内 夏紀)
〇…「BTS」のVがドジャース・レッズ戦で始球式を行った。ド軍のユニホーム姿で、背番号はメンバー数であり、グループにとっても意味深い「7」を選択。試合前にはド軍が誇るイケメン右腕グラスノーから直球を伝授され、本番では捕手役を務めた山本のグラブに左腕から見事なストライク投球。
◆BTS(防弾少年団) 世界的人気を誇る韓国の男性音楽グループ。2013年に公式デビュー。英語名称のBTSは、グループ名の韓国語読みローマ字表記「Bang(防)Tan(弾)Sonyeondan(少年団)」の頭文字から付けられた。ファンの愛称は「ARMY(アーミー)」。
◆Dynamite 20年8月21日に発売されたBTSのデジタルシングル。米ビルボードのシングルチャート「ビルボードホット100」で、韓国歌手で史上初めて1位を獲得し、ミュージックビデオ(MV)はYouTubeで公開から24時間内の再生回数は1億110万回に達し、新記録を樹立する大ヒット曲となった。