◆JERAセ・リーグ 中日3―0ヤクルト(27日・バンテリンドーム)

 まばゆいフラッシュと拍手の中、中日・大野は白い歯を見せた。7回3安打無失点で、チームトップの8勝目。

竜の連敗を2で止めた。「毎試合、勝ちたいと思って投げてるし、自分が仕事をしたって意識はない。一生懸命、投げることが勝利につながると思う」と謙虚に喜んだ。

 3回までに51球と序盤は球数を要しながらも、コースを突く丁寧な投球で、三塁を踏ませなかった。チームの連敗中に登板した6度はいずれも白星をマーク。落ち着いたマウンドさばきで窮地を救ってきた“ストッパー”がこの日も、本拠地の連敗を5で止めた。

 仲間の活躍が、さらなる高みを目指す理由だ。巨人・坂本らと同じ88年世代。4月3日の巨人戦(バンテリンD)で“88年対決”として投げ合った巨人・田中将が、史上4人目となる日米通算200勝を懸けて、28日の広島戦(マツダ)に先発する。「スター的存在。『大野のことも意識してる』って言ってくれてたのを耳にした。刺激になる。

88年組、まだまだできると思うので」

 これで22年以来、3年ぶりに100イニングに到達した。23年に受けた左肘の遊離軟骨除去手術の影響で、24年までの2年間は10登板に終わっただけに、「達成できる数字だと思わなかった。1イニングでも伸ばせるように頑張りたい」と上を見た。世代交代は、まだ早い。共にマウンドに立ち続けるため、ベテランは腕を振る。(森下 知玲)

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