◆JERAセ・リーグ DeNA1―2阪神(27日・横浜)

 2度の“引退危機”からはい上がってきた。大学は国立の小樽商大でプレー。

4年間で最速は15キロ以上伸び147キロをマークしたが、プロはおろか、社会人からも誘いがなかった。「本当に野球が好きで。もっとできるんじゃないかという思いもあって…」。北海道・北広島市役所で勤務しながら、クラブチームのウイン北広島に所属。市職員労働組合のチーム(軟式)でもプレーする道を選んだ。

 社会人2年目の秋に巨人の入団テストを受験。書類選考を通過し実技試験に進んだが、ドラフトでは指名されなかった。「最後のチャンス」とトライアウトを経て入団したくふうハヤテで華開いた。「ハヤテで成長できたから今がある。僕が1人目として結果を出せれば後にも続いていく」。ファーム新規球団参入は、育成機会の拡大も目的の一つ。遅咲きと自認する男は、NPBに広がった新たな土壌があったから、ここまで来た。

(阪神担当・直川 響)

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