◆JERA セ・リーグ 広島8―3巨人(28日・マツダスタジアム)

 巨人・田中将大投手(36)の史上4人目の日米通算200勝達成は持ち越しとなった。王手をかけて広島戦(マツダ)に先発したが、2―1で迎えた2回1死満塁から泉口の適時失策で同点、自身の暴投で勝ち越し点を与えるなど一挙4失点と崩れ、2回6安打5失点(自責4)で2敗目を喫した。

チームはマツダで今季3度目の3連戦3連敗。同一球場でシーズン3度の3タテを食らうのは史上初の屈辱だ。4連敗で借金2となり、3位のDeNAに1・5差、4位の広島にも2・5差に迫られた。

 次々に生還する走者を、ぼう然と見つめた。真っ赤に揺れるマツダで、田中将がKOされた。逆転してもらった直後に再び試合をひっくり返され、移籍後ワーストタイの2回で降板。6安打5失点で2敗目を喫した。「本当悔しい結果に終わりました。相手(打者)のバランスを崩しきれなかった。そこは大きかったと思います」。日米通算200勝はお預け。今後は登録抹消となり、2軍再調整の見込みとなった。

 ポイントを抑えられなかった。初回、先頭・中村奨の中前安打を起点に3安打を許して失点。8月の再昇格後4試合目で初めて初回に点を奪われた。2―1となった2回も先頭・坂倉への死球をきっかけに連打などで1死満塁を招いた。そこから遊撃・泉口の適時失策で同点に。続くファビアンの打席で初球の146キロ直球をたたきつけて暴投で勝ち越され、なお二、三塁から2点適時打を左前に運ばれた。一挙4失点。主導権を渡し、直後の攻撃で代打を送られた。回の先頭の出塁、味方が点を取った直後の失点。ゲームの「流れ」を大事にしてきたベテランが、常々こだわる部分を実行できなかった。

 日米通じての偉業達成なら昨年のダルビッシュ(パドレス)以来、日本人4人目の快挙。午後3時33分のグラウンド入りから、多くのカメラに一挙手一投足を追われる注目度の高さだった。

21日のヤクルト戦(神宮)で今季2勝目。中6日の調整に不安はなかっただけに、先発の役目を果たせなかったことを悔やんだ。

 広島入りした25日の夜。大勢ら後輩投手9人と一緒に市内の焼き肉店へ向かった。たわいもない会話で盛り上がり、終始リラックスムードで絆を深めた。10万円を超えた会計は「マサヒロさん」が快くごちそう。通算200セーブ達成のお祝いでマルティネスのためにサプライズケーキも用意していた。私用と重なり結果的に守護神は会に参加できなかったが、チームを思う気持ちが行動につながった。

 広島には5月1日(東京D)の対決でも3回8安打3失点と攻略されていた。今後について阿部監督は試合後「これから考えようかなと思います」と話すにとどめたが、一度登録を外れ間隔を空けることになったもよう。リベンジを期し、仕切り直す。(堀内 啓太)

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