【オークランド近郊(米国)1日=金川誉】日本代表は、米国遠征のメキシコ代表戦(6日・オークランド)に向けトレーニングを開始した。DF長友佑都(38)=FC東京=は、FIFAランキングで日本の17位を上回る13位のメキシコ戦に向け「やっと僕の時間が来た」とレギュラー再奪取を宣言。
* * * * *
強い日差しと、わずかに秋の気配も感じさせるさわやかな空気を感じながら、長友が燃えていた。米国での練習初日。ランニングなど軽めのメニューだったが、いつものように先頭を走った。強豪メキシコ戦を前に「裏で盛り上げるとか、そのフェーズは自分の中では終わり。ここからはレギュラーを奪取するというフェーズに入ってきたので」と言い切った。
長友はここまで“裏”からチームを支えてきた。W杯アジア最終予選では全10試合ベンチ外。日本が攻撃の主導権を握る試合では、守備力を特徴とする長友を起用する理由は見当たらなかった。ただ練習で誰より声を出し続け、常に前向きなエネルギーを発する姿は、間違いなくチームの一体感を作り出していた。
長友がベテラン枠で、W杯メンバーに入る可能性は十分にある。
年齢にはあらがえない。それは現実だ。しかし今年7月の東アジアE―1選手権の中国戦で、カタールW杯以来950日ぶりに代表のピッチに立った長友は、その後も明らかに調子を上げている。森保ジャパンはDFに負傷者が続出し、左サイドは今回招集外となったFW中村敬斗の不在もあって人材不足気味。長友は「いよいよ僕のタイミングが来たな、と。相手が強ければ、強いほど僕は力を発揮できるので」と自信に満ちた声で言った。今月12日で39歳、ここからレギュラーをつかむ可能性は決して高くはない。しかしカタール後に代表から遠ざかった現実も覆し、5大会連続W杯出場に近づきつつある今、その可能性はゼロではない。