13日に開幕する東京世界陸上の男子マラソン(15日)に出場する日本代表の吉田祐也(28)=GMOインターネットグループ=が4日、千葉・富津市で本番を見据えた5キロ2本のポイント練習を行った。本番で着用するユニホーム、シューズで、本番と同じ午前8時にスタート。
青学大出身の吉田は、原晋監督(58)が「青学大史上最も練習した男」と評する努力の選手。現在も青学大を練習拠点として原監督の指導を受ける。この日も原監督は大事な「予行練習」を見守った。
「この夏、順調に練習できました。きょうで、きつい練習も終わり。ここに来て、グーッと調子が上がってきました。本番まで、質のいいジョグでつなぐだけです。
吉田の目標は、かつて、ともに練習をした大迫傑(34)が21年東京五輪男子マラソンでマークした6位入賞。「序盤は落ち着いて入賞を狙える位置でレースを進めたい。最初からメダルを意識しすぎると打ち上がってしまう、と思うので。終盤にメダルが狙える展開になれば、その時に狙っていきたいですね」と冷静にレースプランの一端を明かした。
青学大2、3年時はチーム11番手の選手で、惜しくも箱根駅伝出場を逃したが、4年目にして初出場となった箱根駅伝の4区で区間新記録(当時)で区間賞を獲得して優勝に貢献。大手町で歓喜の涙を流した。さらに1か月後の別府大分毎日マラソンで日本学生歴代2位(当時)の2時間8分30秒と好走した。社会人1年目の20年福岡国際マラソンで2時間7分5秒の好記録で優勝。目標としていた24年パリ五輪出場を逃したが、同年12月の福岡国際マラソンで日本歴代3位の2時間5分16秒で優勝。
青学大時代から、努力に努力を重ねてきたランナーは箱根の山より、はるかに高い山にアタックする。その準備はできている。