◆プロボクシング ▽WBO世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者・武居由樹―同級1位クリスチャン・メディナ▽WBA、WBC、IBF、WBO世界スーパーバンタム級(55・3キロ以下)タイトルマッチ12回戦 統一王者・井上尚弥―WBA暫定王者ムロジョン・アフマダリエフ▽WBA世界ミニマム級(47・6キロ以下)王座決定戦12回戦 同級1位・高田勇仁―同級2位・松本流星(14日、名古屋・IGアリーナ)

 WBO世界バンタム級王者・武居由樹(29)=大橋=に挑戦する同級1位クリスチャン・メディナ(25)=メキシコ=が6日、都内のジムで練習を公開し、ロープスキッピング、シャドーボクシング、ミット打ち、パンチングボールを各1ラウンドずつ披露。「ベルトは幼い時からの夢で、亡くなった父、祖父との約束。

必ずパーフェクトに勝って、世界チャンピオンになる」と5年前の10月に心臓発作で急逝した天国の父に、ベルトを捧げることを誓った。

 武居戦に向け「普通の試合に向けての練習は1か月半から2か月間だが、今回は3か月間パワフルに費やしてきた」という。これまでWBA&WBC1位の那須川天心(帝拳)のスパーリングパートナーとして3度来日しており、5度目となった4日の来日後もWBOアジアパシフィック・スーパーバンタム級王者の村田昴(28)=帝拳=とスパーリングを行ったという。

 2023年8月に前IBF王者・西田凌佑(六島)と挑戦者決定戦で対戦し判定負けも、その後は4連続KO勝利中。西田戦の時は「対サウスポーの経験が浅かった」とし、「西田選手との試合は学びの一つ。エラーを修正してより良いボクシングを追求してきた。テンシン、スバル(村田)、リク(日本バンタム級王者の増田陸)との練習の中で経験を積むことができた」とサウスポーへの苦手意識も克服したことを強調した。

 3日に行われた武居の公開練習で、元世界3階級制覇王者・八重樫東トレーナー(42)がメディナについて「弱点が3つある」と指摘していた。八重樫トレーナーと大橋秀行会長(60)が視察に訪れたこの日の会見で、メディナは「おそらく弱点は3つではなく、もっとあるかもしれない」と話し、「同じように、武居選手にも弱点はある。すべてのボクサーに弱点はあると思うので、試合の日に(対策を)見せていきたい。(武居の)弱点の数を言えというならば、私の指だけでなくトレーナーの指の数でも足りないぐらいだ」と豪語した。

 これを受け、公開練習後に取材に応じた八重樫トレーナーは「うちの武居は穴だらけですよ」と笑わせ、「すべてのボクサーに穴があると言ってたが、おっしゃる通りです」と話した。

またメディナの印象について「背格好や動きは想定内」とした上で、練習での動きを見て「こちらのやっていることと向こうのやっていることの意図のすり合わせや、どんな風に動くのかなど、少し思うところがある」と収穫もあったことを明かし、「大丈夫そうです」と手応えを語った。

 またメディナは、自身と武居のアニメ風のイラストを自らデザインしたというTシャツを着用して練習。「SAKAMOTO DAYS」など日本のアニメが大好きで、練習後は報道陣に「何のアニメを見たらいい?」と逆取材。一緒に来日したメディナの恋人や、母ラウラさんらも、それぞれアニメのTシャツやグッズを身につけるなど、親日家のメディナ一行だった。

 戦績は武居が11戦全勝(9KO)、メディナが25勝(18KO)4敗。

 試合はNTTドコモの映像配信サービス「Lemino」で無料配信される。

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